行政書士みうら法務事務所

<最良の解決策をご一緒に考えましょう>

故郷(古里)の家のたたみ方/田舎の実家を処分

総務省は平成25年住宅土地統計調査の速報集計結果を公表しています。平成25年10月時点での住宅総数は6063万戸で、空き家は820万戸、実に13.5%にもなっています。5年前の調査と比較しますと、住宅総数は305万戸(5.3%)の増加、空き家は63万戸(8.3%)の増加となっています。日本の総人口が減って行く中で、逆に住宅は増え続けているのです。都道府県別に見れば、別荘などを除いて、空き家率が最も高かったのは山梨県で17.2%で、実に6分の1が空き家になっているのです。それに続くのは、愛媛・高知・徳島・香川の四国4件で、いずれも16%台後半です。空き家率が低いのは宮城県の9.1%、沖縄県の9.8%です。次いで、山形県、埼玉県、神奈川県及び東京都がいずれも10%台となっています。

<都市の過密化と地方の過疎化>

昭和30年代から40年代にかけての高度経済成長に伴って、地方の若者の多くが仕事を求めて大都市へと移って行きました。男性も女性も希望を持って列車に乗ったのです。都市に行けば確実に仕事はありました。その時、両親や祖父母は田舎に残ったのです。やがて、若者たちは、配偶者を持ち、子をもうけて、都市近郊に住まいを構えることになりました。都市での暮らしが長くなれば、徐々に故郷に戻ることがむずかしくなってきます。ビジネスマンとして、定年を迎えても、自分1人ならともかく、配偶者の了解を得て、自分の故郷に戻ることは、強い意志を持ってしても、ともすれば挫折してしまう可能性が出てきます。特に配偶者も故郷を持つ地方出身者の場合「2つの故郷」を同時に持っていることも数多くあります。ときには、2つの故郷から同時に「こちらに帰って来ないか」と誘われているご夫婦も少なからずいるのではないでしょうか。両家のご両親を同時に満足させるのはとてもむずかしいことです。

2つの故郷を共に持ち続けることは不可能です。少なくとも一つは処分する必要が出てきます。ご夫婦ともに兄弟姉妹が多く、その中の一人が田舎に住んでくれる場合はとても幸運です。戦後のベビーブームで生まれた世代は、兄弟姉妹が多くても3人程度のはずです。その中でどちらか一方の実家を継ぐことができる家庭はどれ位いるのでしょうか。場合によっては2つの故郷をともに「たたまなければいけない」ことも起こるでしょう。

<相続放棄>

相続人が主張される方法の一つに「相続放棄」があります。相続放棄とは裁判所が審判によって決めることです。決して、相続人の一人が「私は相続を放棄します」と言っても何の効果もありません。兄弟姉妹が数人いて、ある一人が遺産分割協議により、何も取得しなかった場合は「相続放棄」したのではなくて、「相続を辞退した」と言えます。相続を放棄した人は相続人からは除外されてしまい、そもそも相続人数には最初から数えられることはありません。相続を辞退した方は相続人として数えられているのです。

 

相続を放棄した方は、相続人ではないので何一つ取得することはできません。よく勘違いをして、「山林と農地は放棄するが、宅地だけは取得する」という方がいるのですが、そのような方法はないのです。

 

相続人が2人いて、その1人がすべてを相続した場合は何の問題も起こりません。2人とも相続放棄した場合はどうなるのでしょうか。

この場合、新たに相続人が発生することに十分注意する必要があります。まず、子2人のみが相続人であり、2人とも相続を放棄すれば、次に被相続人の父母、さらに被相続人の兄弟、そして兄弟の子ども、即ちいとこへと順に相続人が新たに発生して行くのです。つまり次々と親戚中に迷惑を掛けて行くことになります。

 

管理責任と税金の支払いはどうなるのでしょうか。ここで民法第940条が該当します。「新たな財産管理人による相続財産にの管理が始まらなければ、いつまでも相続放棄した元相続人が不動産の管理責任を負い続ける」ことになります。ですから、「相続放棄が認められれば、管理責任はなくなる」とは全くの誤解です。

<数次相続における相続放棄>

両親が2名とも生存していて、将来、数次相続(2回以上の続けての相続)がある場合はどうなるのでしょうか。

例えば、まず1回目の相続の時、宅地だけはまず、自分の名義にしておいて、農地と山林は父か母のいずれか生存している方の名義にする。そして、2回目の相続が発生した時に、相続放棄をするやり方です。こうすれば宅地部分は手元に残り、農地と山林は手放すことができます。

しかし、ここでも新たな相続人が発生することになります。新たな管理人がその管理を始めるまでは、元の相続人に管理責任は残っているのです。

同時に、新たに相続人候補となってしまった方からは、あなたに対して何らかの行動を起こしてくる可能性が高くなり、その人との信頼関係にひびが入ってしまうかも知れません。

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